まだ「ゼロからはじめる◯◯」で疲弊しているの?
「ゼロからはじめる英会話」
「資産ゼロからはじめる不動産投資」
こういう文言は書籍のタイトルや、スクールの広告などによく使われる。
今日、仕事帰りに書店によっていつものこの「ゼロから」って実際のところどういう意味だろうと考えた。
なんとなく、敷居の低さや準備の少なさからくるとっつきやすさのようなものが売りになっているのではないかと思うが、そういう意味でよってきた学習者は挫折も早いだろうなと思った。
本当に成功する人は「ゼロから」ではなく、気持ち的には「マイナスから」スタートしていると思う。
やりたいこと、実現したいことの大きさと自分の現実的な能力や状況の小ささ、このギャップが大きければ大きいほど燃えてくるような人こそが逆境をプラスに反転することができる。こういう人たちにとっては「ゼロから」みたいなあいまいな地点は存在しない。
これは、ビジネスにもいえることで、プロの世界には失敗と成功しかない。「ゼロから」というのはマイナスに陥ることはなくて、常に正の方向に伸びていく現実的でない数直線を想起するアマチュアの考え方だ。
プロの世界での成長とはゼロから誰かが何かもってきてプラスをしてくれるのではなく、何か現状に足りないものを、自分自身で作り出してから次のステップに進むことができるのだと思う。
自分は反転学習みたいな考え方がすごく実践的だと思っている。
学習塾なら、事前にお題を出しておいて解いてみてわからないところを講義の日に講師に質問する。
投資なら、自分で身銭を切って失敗してみてから自分なりに失敗した理由を分析したうえでプロに相談する
プログラミングなら、まずは自分の提供したいサービスのアプリを作ってみてから、実現できないところをスペシャリストに相談する。
知識や、能力に対する飢餓感を人工的に作り出してからそれをスピード感を持って埋めて行く。この際、体系的に、みたいなことは後回しでよい。体系的に積み重ねていても食えるレベルに達するのには10年かかる。
(これは4年制大学出ている人ならわかると思うけど、学問でその道で食っていくためには後期博士課程までいかないと話しにならない。)
最近はこういうことを教育提供側もよくわかってきていて、反転教育を意識したいろんなサービスが出始めている。
我々には学ぶべきことが多すぎる割に、残された時間は本当に少ない。
「ゼロから」はじめている場合ではない。
「マイナス」であることを強烈に自分に意識させて、振り子のように勢いをつけて学ぶ必要がある。
学びたくない人にとっては、大変かもしれないけど、学びたい人にとっては良い時代になってきていると思う。